医師とAIは脳腫瘍の診断においてどちらが優れているか?を比較検討した研究内容が発表されます

2025年10月29日~11月1日にかけて神奈川県・パシフィコ横浜で開催される一般社団法人 日本脳神経外科学会 第84回学術総会にて、当社代表取締役社長の瀬々が携わった共同研究「MRIを用いた神経膠腫におけるIDH変異状態予測のAIと医師の予測能比較試験」に関する発表が行われます。本研究は、理化学研究所革新知能統合研究センター がん探索医療研究チーム 高橋 慧先生らの研究グループとの共同成果となります。

脳腫瘍の一種であるグリオーマの診断において、イソクエン酸脱水素酵素(IDH)という遺伝子の変異は非常に重要です。近年、MRI画像を使って人工知能(AI)がIDH変異を予測する方法が注目されていますが、これにはいくつかの課題があります。例えば、研究で使われたデータの量が少ない、AIと医師の診断能力が直接比較されていない、といった点です。そこで本研究では、AIモデルがIDH変異をどのくらい正確に予測できるか、医師の診断能力との比較を実施しました。

2種類のAIモデルと、12名の放射線科医・10名の脳神経外科医の診断結果を用いて比較を行った結果、AI は総じて高い性能を示したものの、その能力を引き出すためには事前調整を要するという、臨床応用に向けての課題が確認されました。一方、医師群の中にはAIを凌駕する“ハイパフォーマー”も存在し、人間とAIの協働や学習戦略の最適化が鍵であることが示唆されました。

発表概要

学会名

一般社団法人 日本脳神経外科学会 第84回学術総会

発表日時

2025年10月29日〜11月1日

会場

パシフィコ横浜(〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1)

発表者

高橋 慧, 高橋 雅道, 木下 学, 三宅 基隆, 瀬々 潤, 市村 幸一, 成田 善孝, グリオーマ分子診断コンソーシアム, 浜本 隆二

演題名

MRIを用いた神経膠腫におけるIDH変異状態予測のAIと医師の予測能比較試験

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