新開発・2倍体用ソフトウェア 異質倍数体のRNA-seqにおいて従来手法よりも高精度な分析性能を持つ事を立証

株式会社ヒューマノーム研究所は、産業技術総合研究所横浜市立大学と共同で、異質倍数体種においてRNA-seqやリシークエンシングを、より高精度で行うことを目的とし、バイオインフォマティックな手法の開発を行っています。

これまでの多くの論文では、2倍体用に開発されたSTAR, KallistoなどのRNA-seq手法を、異質倍数体種の定量時にもそのまま利用してきていました。

本研究グループは、まず従来手法との比較を目的として、これらの手法の精度をシロイヌナズナ属異質4倍体ミヤマハタザオと、6倍体パンコムギのRNA-seqデータを用いて定量しました。その結果、Kallistoなどの2倍体用の手法は計算速度が短いものの、10%もの頻度で誤ったサブゲノム(親ゲノム)にマッピングしてしまうことが分かりました。

一方、本研究グループが開発した HomeoRoq、EAGLE-RC などのサブゲノムに分類する手法を、同様に上記の異質倍数体種に適用した場合、マッピングの誤りは1%程度と高精度であることが示せました。
マッピングの精度の違いは、ホメオログ(相同遺伝子)の発現比率や、発現変化など、下流の生物学的な解析の精度に直接影響を及ぼします。これらの結果は、異質倍数体ではたとえ高精度ゲノムアセンブリが存在していても、RNA-seqなどの解析では2倍体と同様には扱えず、サブゲノムに分類する手法が必須であることを示しています。

なお、本成果は科研費・新学術領域研究「植物新種誕生の原理」、およびJST/CREST研究領域「倍数体マルチオミクス技術開発による環境頑健性付与モデルの構築」の一環として得られました。

発表論文

Tony C Y Kuo, Masaomi Hatakeyama, Toshiaki Tameshige, Kentaro K Shimizu, Jun Sese; Homeolog expression quantification methods for allopolyploids, Briefings in Bioinformatics, , bby121, https://doi.org/10.1093/bib/bby121

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