依存性の高い物質使用による健康リスクの高い方を対象とする生体データ計測とその解析結果をまとめた共著論文が発表されました
当社代表取締役社長の瀬々 潤、取締役副社長の佐藤 牧人の共著論文「Wearable Sensor and Mobile App–Based mHealth Approach for Investigating Substance Use and Related Factors in Daily Life: Protocol for an Ecological Momentary Assessment Study」が、2023年4月11日公開の国際学術雑誌「Journal of Medical Internet Research」に掲載されました。本研究は、東京医科歯科大学大学院 保健衛生学研究科 高野 歩先生らの研究グループとの共同成果となります。
日常生活の状況をリアルタイムで収集したデータを利用し、観察対象者に対する介入プログラムを開発する研究が世界各国で進んでいます。特に、通常の問診等だけでは把握が不可能である「診察時以外の生活データ」に着目し、それらのデータを連続的に取得し、機械学習等の手法で解析することで、特定の行動を分析・予測するアルゴリズムの開発が可能となると言われています。
私達の研究グループは、スマートフォンアプリとウェアラブルデバイスを使って、日常生活を送る中で摂取されたアルコールや薬物等の物質の使用状況や、これらの使用に関する要因や欲求を記録できるアプリケーションを開発しました。本研究の観察対象者の方には、このアプリの利用とウェアラブル活動量計の着用を8週間行うことを依頼し、実験期間中は、観察対象者のセルフモニタリングデータである日々の物質使用状況とその要因、および客観的な生体データである心拍数・睡眠時間・歩数などのデータの取得を同時並行で行いました。
将来的には、今回開発した手法を活用することで、人それぞれによって異なる物質使用パターンの予測や、使用による人体への影響を評価することが可能となります。私達は今後も引き続き、今回開発したアプリケーションやアルゴリズムの開発に取り組むことで、アルコールや薬物等の使用前に適切に介入できる技術開発に取り組みます。
発表論文
Ayumi Takano, Koki Ono, Kyosuke Nozawa, Makito Sato, Masaki Onuki, Jun Sese, Yosuke Yumoto, Sachio Matsushita, Toshihiko Matsumoto; Wearable Sensor and Mobile App–Based mHealth Approach for Investigating Substance Use and Related Factors in Daily Life: Protocol for an Ecological Momentary Assessment Study, JMIR Research Protocols, 12, e44275; https://doi.org/10.2196/44275
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