遺伝子のスイッチ役を「見える化」するシステムについての共著論文を発表しました

代表取締役社長・瀬々 潤が共著の論文「ChIP-Atlas: a data-mining suite powered by full integration of public ChIP-seq data」が、2018年11月9日 20:00(日本時間)に、国際学術雑誌「EMBO Reports」オンライン版から公開されました。本研究は、九州大学大学院・医学研究院・発生再生医学分野の沖 真弥助教、目野主税教授らとの共同研究成果となります。

この論文では、合計10万件、800兆バイトに及ぶ公開されたChIP-seq法による実験結果に、統一的なパイプラインで転写因子のDNA結合サイトについて8億箇所以上を同定した情報や、実験時に用いられた試料に関連する情報等を整理し、公開した世界初のデータベース(ChIP-Atlas : http://chip-atlas.org )と得られたピークに関する検索エンジンの開発、合わせて本サービスの利用事例について発表しています。

このWebサービスは、高校で習う程度の転写因子やゲノムに関する基礎知識があれば誰でも利用できます。サービスを通じて、どの転写因子が、どの細胞で、どの遺伝子に結合するのかについて、容易に理解することが可能となり、既に世界各国で遺伝子制御の仕組み、薬理作用、老化や疾患などの研究に利用されています。

今後は、このビッグデータを更に高次解析し、免疫細胞・肝臓・血管などを形成する転写因子の予測に応用できることを示し、将来的には再生医療等への応用をすすめていきます。

発表論文

著者Shinya Oki, Tazro Ohta, Go Shioi, Hideki Hatanaka, Osamu Ogasawara, Yoshihiro Okuda,Hideya Kawaji, Ryo Nakaki, Jun Sese, and Chikara Meno
タイトルChIP-Atlas: a data-mining suite powered by full integration of public ChIP-seq data.
掲載誌EMBO Reports, 2018, e46255.(doi: 10.15252/embr.201846255)

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