宮崎県と共同でノーコードAI開発ツールを用いた食鳥疾病診断AIを開発しました
株式会社ヒューマノーム研究所(本社:東京都中央区、以下、ヒューマノーム研究所)は、宮崎県衛生管理課と共同で、食鳥の疾病診断AIをノーコードAI開発ツールを用いて開発しました。
食鳥検査では、獣医師の資格をもつ食鳥検査員が、異常のある食鳥を一羽ずつ疾病診断しています。大量の食鳥を迅速に検査するためには、検査員の方々の経験が重要です。しかし、近年では検査員の高齢化と人材不足が課題となっています。そこで、今回の共同開発では、カメラで撮影した画像から疾病を診断するAIを開発し、獣医師の診断をサポートすることによる、食鳥検査の省力化を目指しました。
開発背景
宮崎県の養鶏は、出荷額905億円を超える主力産業です。出荷額はここ数年上昇傾向を続けています。
宮崎県内の大規模食鳥処理場では、食肉として出荷される鶏肉の安全を確保するために、伝染病や病気がないかどうかを目視で確認する食鳥検査が実施されています。食鳥検査は出荷対象となる鶏肉すべてに対して実施する検査であるため、宮崎県内の処理場全体では年間1.4億羽以上の食鳥が検査対象となっています。
本開発は、この食鳥検査の省力化を図ることを目的として実施されたもので、AI開発には、ヒューマノーム研究所のノーコードAI開発ツール「Hqumanome Eyes」を使用しました。ノーコードツールは操作にあたってプログラミングする必要がないため、現場担当者の方と一緒に、現場のノウハウを反映したAIを開発することができる、という特長を持ちます。
今回はこのノーコードツールがもつ特長を活かし、宮崎県庁の獣医師のみなさまと共同で開発を実施することで、プロジェクト開始後約3ヶ月という短期間でAIを構築することができました。
開発概要
宮崎県内の大規模食鳥処理場でよくみられる代表的な2疾病に関して、食鳥の疾病の診断予測を実施するAIを構築しました。
疾病の症状が現れる部位は、疾病の種類によって異なり、専門知識がなければ判定が難しい細かなものもあります。そのため、疾病があると診断された食鳥に関して、どの疾病の症状がどの部位に存在しているかの情報を付与(アノテーション)する判断基準は、精度の高いAIをつくるために非常に大切な工程となります。アノテーションは業者が担当することが一般的ですが、本件では宮崎県庁の獣医師の職員様と共同で実施いたしました。
- 食鳥の撮影:宮崎県庁の職員様と共同で実施
- 疾病のアノテーション(ラベル付け):Humanome Eyesのアノテーションツールを用いて、宮崎県庁の獣医師の職員様と共同で実施
- AIの学習と予測:アノテーション情報をもとに、Humanome Eyesの物体検知AI学習機能を用い、疾病判定AIを開発
本件では、ノーコードAI開発ツールの特長を活かすことで、プロジェクト開始後約3ヶ月という短期間で食鳥疾病診断AIを開発しました。今回は2種類の疾病に絞って開発を行いましたが、今後はより多くの疾病や状況に対応することで、多様な疾病に対応したAIを開発します。これにより、安全な食鳥の供給に欠かせない獣医師の診断業務をサポートし、食鳥検査の省力化に寄与するAIの作成を目指します。
本件に関するお問い合わせ
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