東京医科歯科大学とアルコール・薬物依存症の方に対する行動変容をサポートするAI開発に関する共同研究を開始しました

株式会社ヒューマノーム研究所(本社:東京都中央区、代表取締役社長:瀬々 潤、以下「当社」)は、国立大学法人東京医科歯科大学(所在地:東京都文京区、学長:田中 雄二郎)と「物質使用障害を有する人の行動変容促進に向けたAI構築に関する研究」に関して、共同研究契約を締結いたしました。

アルコールや薬物依存症の方は、生活習慣病のリスクが増大するだけではなく、飲酒運転*1や人間関係のトラブル*2などを引き起こすリスクが高いことが指摘されています。治療体制の整備が急務の課題ですが、アルコールや薬物依存の方に対する治療資源は限られています。

また、周囲からの偏見などを理由に受診をしない、個人の重症度等に合わせた治療提供体制が確立されてない、治療の優先度が低下することで受診頻度が減りそのまま受診を中断する方が多いなど、依存症の方への治療に対する課題が多く存在します。加えて現在は、新型コロナウイルス流行に起因する社会不安などの影響を受け、治療の優先度の低下や飲酒量の増加、依存症に関する共助グループの活動停止による病状悪化も問題視されています。

本共同研究では、東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科においてアルコールや薬物の乱用・依存、ギャンブル障害などの課題とされる治療ギャップ改善に取り組まれている高野歩准教授と、ヒューマノーム研究所の先端の人工知能(AI)技術を掛け合わせ、行動予測・フィードバック提案機能を搭載したアルコールや薬物依存の方のセルフモニタリングを支援する行動変容促進アプリの開発とその社会実装を目指します。本研究により、従来の治療法の課題とされている「匿名性」、「偏見への不安軽減」、「プライバシーの保護」、「時間や場所に依存しない高いアクセス性」を解決します。

  • 課題名:物質使用障害を有する人の行動変容促進に向けたAI構築に関する研究
  • 東京医科歯科大学 研究代表者:東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科 高野歩准教授
  • 株式会社ヒューマノーム研究所 研究代表者:代表取締役社長 瀬々潤

東京医科歯科大学は、研究対象者のリクリートや研究実施におけるスケジュール管理など研究全体の統括を担当します。また、ヒューマノーム研究所は、最新のAI技術を用いて、アルコール・薬物使用者(物質使用障害者)の行動パターンに対し、適切なタイミングでフィードバックを提供する行動変容促進モデルの構築を担当します。

アルコール・薬物依存症の方の治療ギャップや患者サポートを専門とする東京医科歯科大学の先進技術・知見と、幅広い分野のデータ統合解析とAI開発を専門とするヒューマノーム研究所の技術力・知見を掛け合わせることで、依存症の方一人ひとりの状況に応じた治療資源の提供が可能となり、アルコール・薬物使用者に対する治療課題の解決が期待されます。なお、本研究は株式会社Revi(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:山田大典)および日本学術振興会・科学研究費助成事業「アルコール・薬物使用者の行動変容促進アプリと適切なフィードバックAIモデルの開発」のサポートを受けて実施します。

本共同研究を通して、様々な制約に捉われずに誰もが健康に過ごせる社会実現を目指します。

出典元

  1. 中山寿一, 樋口進, 神奈川県警察本部交通部交通総務課. 飲酒と運転に関する調査: 久里浜アルコール症センターと神奈川県警察との共同研究, 最終報告書.
  2. 知ることからはじめようみんなのメンタルヘルス/薬物依存症(厚生労働省サイト)

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