ノーコードAIツール活用事例|千代田国際中学校
実現したこと
- ポイント1:何でもできて、役立つ道具だと思っているAIについて、実際にAIを作ってみる機会を設けた。
- ポイント2:学習データを取得するところから、AI構築までを一貫して行うことで、AIを賢くするには、必要なデータを準備して教える必要があるということを感じてもらえた。
- ポイント3:身近なお菓子を予測することで、AIを作って予測することが楽しいと感じ、技術に対する興味を持ってもらうことができた。
AIは、誰かが作るものだということを理解する
本校の中学1年生を対象に、サマープログラムのひとつとして、AIに対する理解を深めるためのワークショップ「AIをつくる」を開催しました。
中学1年生はプログラミングの経験がそれほど多くありません。そこで、コーディングに力を注がなくてよい、ノーコードツール「Humanome Eyes」を活用することにしました。身近な写真を利用してものを見つけるAIを簡単に作れますし、Webをプラットフォームとするため、興味を持った生徒が自宅に帰ってからも同じ環境を続けて使うことができる点も魅力的でした。
また、現代の子どもたちは、携帯電話やタブレットなどの成熟した技術が身の回りにある環境で育ってきています。そこで、生徒たちが現在AIに感じている万能感であったり、誰かが作ったものを利用するという受け身的な考えを払拭し、AIは自分で作ることができるものであるという感覚を持ってもらうことを目的としました。この機会をファーストステップとして、身の回りの様々な技術を便利にしていく楽しさや、技術への興味を持ってもらうことにつなげます。
二種類の違う楽しさ〜データ収集とAIの学習
ワークショップは夏の特別講義の一環として、参加したい生徒を募る形式で実施しました。任意参加にも関わらず、中学1年生の過半数が参加希望を出してくるなど、高い人気でした。
ワークショップは2日間(2時間*2日間)に渡って行いました。初日は、AIに関するイメージを生徒たちに質問した後、「もの」を見つけるAIを作成する流れを紹介。実際に自分で撮った写真を用いてAIに教える情報を作成し、AIの構築に取り組みました。二日目は、構築したAIの精度を高める方法をディスカッションした上で、AIの予測大会を行いました。
予測したのは、きのこ型のお菓子と、たけのこ型のお菓子。みんなが一度は目にしたり、口にしたことのあるものをAIに教えることで、AIに親近感が持てたようです。また、このワークショップでは生徒の個性も現れます。こつこつと丁寧にAIに教える情報を作ることに熱中する生徒もいれば、AIの学習がどのように進むか、技術的な面に興味を持つ生徒もいました。
一つのAIを作るにも、様々な工程があり、その工程の組み合わせが重要であるという、技術発展の基本を本ワークショップを通じて感じ取ってもらえました。
ワークショップ実施後
生徒に関する変化
単なるレクチャーではない学習体験を通して、AIは「そこにあるもの」ではなく、自分たちで「つくる=育てる」必要があるということを実感していました。AIに対するイメージが更新されることで、「手を動かして考えること」や「地道にひとつずつ工程を進めること」を大切にする学習の基本姿勢にも良い影響があったと感じています。
なにより、ノーコードツールによって、得手不得手に関わらずAIづくりに楽しくチャレンジできる経験を得たことが、中学1年生にとって視野を広げるうえでの大きな刺激になったと思います。
学校に関する変化
今回実施したワークショップは、本校のサマープログラムの中で希望者がもっとも多く、現代の主たるテクノロジーの1つとして中学生の興味関心も高いものであることがうかがえます。
「自分たちでつくることができる」という経験を得た生徒を中心に、学校のプロジェクト型学習や行事に援用することができるのではないかという期待をもっています。
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