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脳腫瘍のAI診断支援に関する共著論文が発表されました

当社代表の瀬々が携わった共著論文「Comparing artificial intelligence and physician performance in predicting IDH mutation status in glioma」が、2026年5月5日公開の国際学術雑誌「npj Digital Medicine」に掲載されました。本研究は、理化学研究所革新知能統合研究センター 高橋 慧先生らの研究グループとの共同成果となります。瀬々は機械学習・データ解析の観点から本研究に参加しました。

グリオーマ(神経膠腫)は脳に発生する腫瘍の一種です。その診断において、IDH(イソクエン酸脱水素酵素)遺伝子の変異の有無は、治療方針の決定に重要な指標とされています。従来、この変異状態は、手術等で採取した病理検体を用いた免疫組織化学染色やDNAシーケンスなどによって確認されますが、術前のMRI(磁気共鳴画像)から非侵襲的に予測できれば、早期の治療計画策定に寄与する可能性があります。本研究では、グリオーマのMRI画像を用いて、IDH変異状態を予測するAIモデルと医師の診断性能を対象とする比較検証を実施しました。

本研究では、2種のAIモデルを構築し、公開国際データセットおよび日本人コホートを用いた性能評価を行いました。比較対象として、神経放射線科医・脳神経外科医・脳神経外科レジデントら18名の診断結果を用いました。
AIモデルは、公開国際データセットではGliomaVista-IDHがAUC 0.97を達成し、すべての医師グループの成績を上回りました。一方で、日本人コホートを用いた外部検証では両モデルの性能が低下し(GliomaVista-IDH AUC 0.82)、予測の信頼性に課題が見られました。経験豊富な医師はAUC 0.88を達成し、キャリブレーションの面でAIモデルを上回る結果となりました。

本研究は、AIモデルが多くの医師の診断を補助できる可能性を示すとともに、難しい症例における経験豊富な専門医の強みについても明らかにしました。当社は今後も、診断支援技術の研究開発に機械学習・データ解析の観点から携わり、医学・医療分野の発展に貢献してまいります。

発表論文

Satoshi Takahashi, Masamichi Takahashi, Manabu Kinoshita, Mototaka Miyake, Risa Kawaguchi, Naoki Shinojima, Akitake Mukasa, Kuniaki Saito, Motoo Nagane, Ryohei Otani, Fumi Higuchi, Shota Tanaka, Nobuhiro Hata, Kaoru Tamura, Kensuke Tateishi, Ryo Nishikawa, Hideyuki Arita, Masahiro Nonaka, Takehiro Uda, Junya Fukai, Yoshiko Okita, Naohiro Tsuyuguchi, Yonehiro Kanemura, Fumiyasu Tsushima, Shingo Kakeda, Toshiaki Akashi, Toshiaki Taoka, Yoshiyuki Watanabe, Kei Yamada, Toshinori Hirai, Minako Azuma, Takashi Yoshiura, Jun Sese, Koichi Ichimura, Yoshitaka Narita, Ryuji Hamamoto; Comparing artificial intelligence and physician performance in predicting IDH mutation status in glioma. npj Digital Medicine (2026). https://doi.org/10.1038/s41746-026-02695-2

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