パンコムギの季節性遺伝子に関する解析成果が発表されました

当社代表取締役社長・瀬々 潤が共著の研究成果「大規模トランスクリプトームから見た野外環境下におけるパンコムギの季節性遺伝子発現」について、2023年9月7〜9日に北海道大学・札幌キャンパスにて開催される「日本植物学会第87回大会」にて口頭発表されました。本研究は、横浜市立大学・爲重才覚特任助教、チューリッヒ大学・清⽔健太郎教授らの研究グループとの共同成果となります。

発芽・開花・落葉など、季節の移り変わりに伴って動植物の状態が変化する現象をフェノロジー(生物季節)といいます。植物の生物季節の変化は、気候変動が地球の環境へ与える影響を観測する指標として利用されています。

コムギなどのイネ科長日植物が出穂する時期は、効果的な作物管理を行う際に利用される重要な情報ですが、この制御に影響する遺伝子情報には解明されていない点が多く残っています。特に「異質六倍体」であるパンコムギはゲノム変異を見つけることが難しく、加えて、野外で植物が成長する様子を観測する手法も未開拓な状態です。

そこで本研究グループは、パンコムギの出穂制御を遺伝子レベルで解明することを目的とし、野外で栽培されているパンコムギの大規模な時系列トランスクリプトーム解析を実施しました。この解析データは、出穂調節に役立つ遺伝子候補の予測や、異なる環境でコムギを栽培する際の検討、地球温暖化に対する影響の予測などへの活用が期待されます。

発表内容詳細

◯ 発表日時
2023年9月8日(金) 11:10-11:25
◯ 学会名
日本植物学会第87回大会
◯ 発表者
爲重 才覚、孫 建強、秋⼭ 玲⼦、杉阪 次郎、神⾕ 容⼦、永野 惇、清⽔(稲継)理恵、瀬々 潤、清⽔健太郎
◯ 演題名
大規模トランスクリプトームから見た野外環境下におけるパンコムギの季節性遺伝子発現(口頭発表)

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